「頑張る」「頑張れ」はどこへいく 努力主義の明暗

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大災害のたびに沸き起こる「頑張ろう」のスローガンから、日常のあいさつ代わりに使われる「頑張ってる?」「頑張ってね!」まで日本中にあふれている「頑張る」。実は「頑張る」は日本特有のものではない。著者は比較社会学の手法を使い、アメリカ、イギリス、フランスとの違いに迫る。そして入試の制度・実態からコツコツ「頑張る」傾向が強いフランスに対し、日本は「頑張ればできる」の掛け声の下で中間・期末・入試などの節目に集中努力する傾向が強いと結論付ける。熱しやすく冷めやすいタイプの努力というわけだ。貧困と格差により閉塞する日本で、私たちは持続的に頑張れるのか。それとももう頑張れないのか。本書は「頑張り」の質をも変化させるAI時代の努力についても考察する。

大川清丈

発行2023年12月

判型新書(B40)

頁数198

ISBN978-4-434-33188-6

定価984(本体価格895円+税)

  1. まえがき
  2. 第一章 頑張りのメカニズム
  3. 第二章 頑張りから見た戦後史
  4. 第三章 頑張る/頑張らないのパラドックス
  5. 第四章 儀礼としての頑張り
  6. 第五章 日米の比較
  7. 第六章 日欧の比較
  8. 第七章 近未来の努力主義
  9. あとがきに代えて
  10. 主な参考図書

大川 清丈(おおかわ・きよたけ)
帝京大学文学部社会学科教授。社会学者。1964年東京都生まれ。京都大学文学部哲学科卒。同大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は比較社会学、歴史社会学。甲子園大学人間文化学部(のちに人文学部)の専任講師・同准教授を経て、帝京大学文学部社会学科の准教授に就いた。2019年4月より現職。単著に『がんばること/がんばらないことの社会学:努力主義のゆくえ』(ハーベスト社)、共著に『日本の社会と文化(社会学ベーシックス 第10巻)』(世界思想社)などがある。

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